
こんにちは!家庭菜園で暮らすKUMAです。
かぼちゃを家庭菜園で育てるにあたり、「難易度が高そう…」「育て方が分からない…」といった悩みを抱える方は多いです。
そこで、この記事ではかぼちゃの育て方を、初心者の方向けに分かりやすく解説しています。
また、かぼちゃの栄養と効能、美味しいかぼちゃを作るポイント、保存方法などもご紹介します。
かぼちゃは初心者の方でも気軽に育てられる野菜ですので、この記事を参考にぜひチャレンジしてみてくださいね。
かぼちゃの栄養と効能
まずは、かぼちゃの栄養素と効能から見ていきましょう。
かぼちゃは、栄養が豊富で、煮物や天ぷら、炒め物などの幅広い料理に利用できる夏の代表的な野菜です。
【かぼちゃの主な栄養と効能】
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- β-カロテン、ビタミンA:免疫力のアップと粘膜の保護が期待できる
- ビタミンE、ビタミンC:美肌効果・血液促進・アンチエイジングを期待できる
果肉の鮮やかな黄色い部分に多くふくまれるβ-カロテンは、抗酸化力が高いため風邪予防や免疫力を高めてくれます。
また、抗酸化ビタミンのC・Eも豊富に含まれおり、美肌効果や血液促進などの効果も期待できるでしょう。
写真付きで解説!苗から植えるかぼちゃの育て方
かぼちゃの苗を植える時期は地域によって異なりますが、一般的には5月~6月頃が適期で、収穫時期は苗が根付いてから約2ヶ月後です。
かぼちゃは栽培の流れを知っていればスムーズに育てられるので、ぜひこの章で栽培方法を確認しておきましょう。
【かぼちゃの栽培手順】
- 土をつくる
- 苗を植える
- 親蔓を摘み取る
- 子蔓を整理する
- 花が咲いたら人工受粉をする
- 摘果を行う
- 収穫する
それでは、詳しく見ていきましょう。
1.土をつくる
まずは、かぼちゃを植える土を作りましょう。
【土を作る手順】
日当たりの良い場所を選び、雑草と小石を取り除き、土を耕します。
さらに定植する2週間前以上に苦土石灰を、1週間前に堆肥と肥料を、時期をずらして土に混ぜます。

この時、苦土石灰を肥料や元肥と同時に使用してしまうと化学反応が起こり、アンモニアガスが発生してしまうので、時期をずらして使用します。
石灰の種類や特徴については、こちらの記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
土づくりに必要な道具
2.苗を植える
まずは、かぼちゃの苗を畑に植えます。
根もとを崩さないように、優しくポットから取り出し、あらかじめ掘っておいた植穴に入れます。

鉢の根もとが、地面よりも少し高くなるように置くのがポイントです。
株の根本をしっかりと押さえて、根鉢と土を密着させましょう。
最後にたっぷりの水を与えれば、苗植えは完了です。
ぐんぐん蔓が伸びるので、畑の隅に植えるのがベスト
かぼちゃが成長すると、蔓がどんどん伸びて面積が必要になるため、なるべく畑の隅に植えることをおすすめします。
畑の隅に植えることで、たとえ蔓が伸びても畑の周りに沿って伸ばすことが可能です。
また、かぼちゃの蔓によって他の野菜に被害が出ることを防げます。
3.親蔓を摘み取る
本葉が5~6枚に成長したら親蔓の先端(上部画像の赤いライン)をハサミで切ります。
芯を切ることで、充実したかぼちゃの実をつけることが可能です。
具体的には、果実の形が整っていたり、適切な時期での収穫ができるようになります。

でも、親蔓を切ったら枯れてしまうのでは?

大丈夫です!親蔓を切っても、子蔓が伸びて成長し続けますよ。
かぼちゃは親蔓を切っても枯れないので、安心してくださいね。
4.子蔓を整理する
子蔓が伸びてきたら整枝(せいし)をして、栄養分が効率よく全体に行き渡るようにしましょう。
整枝のやり方は、以下の通りです。
【子蔓の整枝の手順】
- 元気のよい子蔓を3本選び、残す
- その他の余分な子蔓は、元から切り取る
- はじめに選んだ3つの子蔓を、できるだけ均等に三方向へ広げる
蔓は自由に伸びるため、U字のピンで固定すると誘導が楽になるのでおすすめです。
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U字のピンを下まで刺すと、根を痛めてしまう可能性があるため、少し浮かせて止めましょう。
U字ピンを使えば、台風や強風で苗が痛むのを防ぐ役割も果たしてくれますよ。
1回目の追肥を行う
子蔓の整枝のあと、1回目の追肥を行います。
肥料の目安は、1㎡あたり約40g~50gです。
肥料を撒いた場所をクワで軽く耕し、肥料を土に混ぜ込みましょう。
5.花が咲いたら人工受粉する
かぼちゃは、人工的に受粉を行った方が受粉の確率が高まります。
人工受粉のやり方は、以下の通りです。
【かぼちゃ│人工受粉の方法】
- 雄花と雌花が咲いていることを確認する
- 雄花を切り取り、花弁(花びら)をはずす
- 雌花の柱頭に、雄花の花粉をこすりつける
たっぷりと花粉をつけて、確実に受精させるようにしましょう。また、雄花と雌花の見分け方は、果実があれば雌花、無ければ雄花です。
【雄花と雌花の見分け方】
雄花と雌花の違いは、花の根本に実が付いているかどうかで判断できます。
2回目の追肥を行う
着果したタイミングで、2回目の追肥を行います。
肥料の目安は、1㎡あたり40g~50gです。
肥料を撒いた場所をクワで軽く耕し、土に肥料を混ぜ込みましょう。
この後も、これまでと同様に追肥を定期的に行います。
6.摘果する
摘果とは、栄養が分散されるのを防ぐために果実を間引くことを指します。
果実は1つの株に多く実りすぎると、質が落ちてしまいます。
そのため、1株に4~5個以上の果実ができたら、それ以上はハサミで切り落とします。
果実が大きくなる前に小さなうちに摘み取るのがポイントです。
7.収穫する
かぼちゃが熟成されたら、収穫をします。
収穫時期を見分ける方法は、以下の通りです。
【かぼちゃ│収穫時期の見分け方】
- かぼちゃのヘタに白い筋が現れ、コルク状になった時
- かぼちゃの葉が全体的に黄色く枯れてきた時
こちらの写真左のかぼちゃのように、ヘタに白い筋が浮き出て、コルク状に変色したら収穫時期だと判断できます。
右側の青いヘタのかぼちゃは、収穫時期ではないサインでなので、注意してください。
また、全体の葉が黄色く枯れてきたら、収穫の合図でもあります。
かぼちゃの品質を上げる3つのポイント
かぼちゃ栽培の流れを確認したところで、かぼちゃの品質を上げるポイントも見ていきましょう。
ここで解説する美味しいかぼちゃを作るポイントは、以下の3つです。
【美味しいかぼちゃを作るポイント】
- 玉返しをして両面を日光に当てる
- かぼちゃの下にもみ殻や藁をしいて痛みを防ぐ
- 収穫後に追熟する
1つ1つ詳しく解説していきます。
1.玉返しをして両面を日光にあてる
かぼちゃの実がまだ青いうちに、向きを変えて日光に当て、全体が色づくようにします。
色のムラを防げるため、仕上がりがきれいになります。
もしも玉返しを忘れると、日光が当たらない片面だけが白くなってしまうので注意してください。
2.かぼちゃの下にもみ殻や藁をしいて痛みを防ぐ
果実が地面に接触をしていると、土の跳ね返りや水たまりなどで、痛む可能性があります。
そこで、果実の下にもみ殻や藁をしいて、地面との接触面を保護をします。
家庭菜園で同時にトウモロコシを栽培していれば、残渣(ざんさ・残りかす)を用いるのもおすすめです。
3.収穫後に追熟させる
かぼちゃを収穫したら、すぐにいただくのではなく、2週間ほど追熟させましょう。
追熟することで、でんぷんが分解されて糖分が作られ、ほくほくとした繊維の柔らかい食感へと変わります。
追熟に適した場所は、涼しくて風通しがよく、直射日光の当たらない場所です。
収穫したての果実よりも、追熟した方が美味しさが増しますので、ぜひ試してみてください。
かぼちゃの保存方法│常温・冷蔵・冷凍の使い分け
かぼちゃは、状況に応じて常温・冷蔵・冷凍を使い分けて保存します。
保存の使い分けは、以下の通りです。
【かぼちゃの保存方法】
保存方法 | かぼちゃの状況 | 保存方法と期間 |
---|---|---|
常温 | 丸ごと(カットしていないもの) | 風通しの良い冷暗所で1~2ヶ月保存が可能 |
冷蔵 | カットしたもの | ワタと種を取り除き、保存袋に入れ数日以内で食べ切る |
冷凍 | 加熱したもの | 加熱してから冷凍。約1ヶ月の保存が可能 |
かぼちゃを収穫したら、熟成もかねて風通しの良い冷暗所で約1~2ヶ月寝かせておきましょう。
調理で余ったかぼちゃは、カットしていればポリ袋に入れて冷蔵庫へ、加熱していれば冷凍庫での保存が可能です。
かぼちゃの状況によって、保存方法を使い分けることで、味の良いかぼちゃを効率よく保存できます。
まとめ
この記事では、かぼちゃの栽培方法や美味しくするポイントを解説しています。
かぼちゃの栽培は難易度が高いと言われていますが、実際は初心者の方でも気軽にチャレンジしやすい野菜です。
ただし、「実が付かない」「葉が枯れる」などと言った栽培における注意点も知っておいた方が良いため、こちらの記事もあわせて参考にしてください。