
こんにちは!家庭菜園で暮らすKUMAです。
「トマトを育てているけれど、ちっとも赤くならない…」
こんなお悩みを抱えていませんか?
トマトが赤くならない現象には、いくつかの理由が考えられます。
そこでここでは、トマトが赤くならない考えられる8つの原因と対処法をご紹介します。
トマトを赤くするための解決策が分かりますので、ぜひ参考にしてください。
トマトが赤くならないのはなぜ?考えられる8つの原因
トマト・ミニトマトが赤くならない現象には、以下の8つの原因が考えられます。
【トマトが赤くならない原因8つ】
- 時期が早い
- 日光不足
- 摘果・摘心していない
- 栄養不足
- 窒素・肥料が多すぎる
- 水が多すぎる
- わき目かきが不十分
- 病気にかかっている
それでは1つ1つ、詳しく見ていきましょう。
原因1.時期が早い
トマトが赤くならない原因の一つに、収穫時期ではないことが挙げられます。
トマトの苗を4月~5月に植えた場合、収穫時期は7月~8月頃ですが、悪天候や低温が続くと、そのぶん色づく時期も遅れます。
また、収穫時期はトマトのサイズによっても異なります。
【品種別による収穫時期】
トマトの品種 | 収穫時期 |
---|---|
大玉トマト | 開花後50日~60日 |
中玉トマト | 開花後40日~50日 |
ミニトマト | 開花後40日~50日 |
収穫時期は、大玉トマトは開花後から約50日~60日、中玉トマト・ミニトマトは開花後約40日~50日が目安です。
原因2.日光不足
日光が不足すると色素成分が生成されず、色づきが悪くなります。
本来、トマトには緑色の色素のもととなる「クロロフィル」が含まれており、成長とともにこの成分は分解されます。
そしてトマトが日光を浴びることで、赤色の成分である「リコピン」などが生成され、果実が徐々に赤へと変化していくのです。
こちらの写真の通り、赤いトマトの果実の場合、緑色→茶色→オレンジ→赤へと変化します。
【トマトが赤くなる過程】

夏から秋にかけて、森の木々が色づく「紅葉」と同じ原理です。
ただし、苗の品種によって赤・オレンジ・黄色と、どの色素が強く見られるかは異なります。
日光が十分に当たらないと、色を付ける成分が生成されずに、青いトマトのままとなってしまいます。
原因3.摘果・摘心していない
栄養を効率よく巡らせ、果実の充実をはかるために行う「摘果」と「摘心」。
【言葉の意味】
- 摘果:形の悪い果実や小さな果実を取ること
- 摘心:主枝の先端を切り成長を抑えること
摘果や摘心を行わないと、栄養が分散されてしまい、色づきが遅れる原因となります。
摘果の目安
ミニトマトは、通常であれば摘果しなくても成長します。
しかし写真のような不揃いの果実をつけている時は、果実の小さいもの、形の悪いものを取り除いて栄養の分散を防ぎましょう。
【摘果が必要なトマトの果実】
また、大玉トマトは、一房に6個以上の実が付いていたら約4~5個に摘果します。
切り口から病気が発生する可能性があるため、清潔なハサミを使うようにしましょう。
原因4.栄養不足
栄養が不足すると、果実を充実させるよりも、葉や茎を増やして光合成をして生き延びようとする習性があります。
そのため栄養分は、果実ではなく、葉や茎に優先的に奪われてしまいます。
栄養不足の見分け方
栄養不足の見分け方は、葉の色が薄い、葉の形が細い、やや上を向いているなどが特徴です。
【栄養不足のトマトの葉】
栄養不足の原因として挙げられるのは、肥料の不足です。
このほか、日当たりが悪い、悪天候が続き日光を十分に浴びていないなども原因です。
原因5.窒素・肥料が多すぎる
栄養不足もトマトが赤くならない1つの原因ですが、栄養過多も同様です。
栄養が多すぎると、蕾が付かない、果実の付きが悪い、葉が増えて実が光合成できないなどの現象が起きてしまいます。
栄養過多の見分け方
栄養過多のトマトを見分けるには、葉を確認しましょう。
葉の色が濃く、葉の表面に凹凸が見られ、葉の裏側に向かって巻く傾向があれば栄養過多のサインです。
【栄養過多のトマトの葉】
栄養を与える量は多くないか、頻度は多くないかなどを一度見直してみましょう。
原因6.水が多すぎる
トマトは加湿を苦手とする野菜です。
水をやりすぎると、カビが生えるなどの病気を起こし、ケースがあります。
こちらは、水を与えすぎてカビが生えてしまったトマトの苗です。
【カビが生えたトマトの葉】
根が腐ると栄養分を吸収できなくなり、葉が病気になると光合成は難しいです。
そのため、果実に必要な栄養分が行き渡らず、色づきの問題の前に実が付かないといケースも考えられます。
原因7.わき目かきが不十分
わき目かきが十分ではいと、風通しが悪く、日光も遮られてしまいます。
また、わき目に栄養を奪われてしまい、果実の成長スピードが遅くなります。
トマトの苗が生い茂っていると感じたら、わき目を摘むことも検討しましょう。
原因8.病気にかかっている
そもそも苗が病気にかかっていると、いくら果実が大きくても、赤くなるのは難しでしょう。

病気にかかった状態で果実が赤くなるか経過を観察しましたが、変化がありませんでした…。
他のトマトの苗に病気が伝染する可能性もあるため、果実があっても苗が病気であれば、株ごと抜いてしまうことをおすすめします。
トマトが赤くならない時の対処法4つ
トマトが赤くならない原因を知った上で、ここからはトマトを赤くする対処法をご紹介します。
【トマトが赤くならない時の対処法5つ】
- 着色促進剤を使用する
- 葉・わき目をかく
- 窒素・肥料を取り除く
- 水やりをやめる
- 諦めて青いトマトを収穫する
トマトの苗の状況に合わせて、対処法をぜひ試してみてください。
それでは順に見ていきましょう。
対処法1.着色促進剤を使用する
トマトの植物ホルモンを調整する「着色促進剤」を使用するのも一つの手段です。
トマト専用の植物調整剤で知名度が高いのは『トマトトーン』と呼ばれる薬剤です。
トマトトーンは、トマトの熟成を促進する効果があるため、赤くならないトマトを色づける効果が期待できます。
また、低温や日照不足といった悪天候でも、着果を促進・安定してくれるので、実の着きを良くします。
苗は元気だが、「トマトが赤くならない」「実の着きが悪い」と感じたら、トマトトーンを活用されてみてください。
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対処法2.葉・わき目をかく
葉やわき目を摘み、風通しを良くして、果実に日光を浴びせましょう。
また、葉やわき目かきは、栄養の分散を防ぎ、果実により多くの栄養分を与える効果があります。
葉やわき目を切る時は、病気の発生を防ぐためにも、清潔なハサミを使用してください。
また、湿度が高い日は病原菌が繁殖しやすいため、枝を切る時は晴れた日を選びましょう。
対処法3.窒素・肥料を取り除く
窒素過多でトマトが赤くならない時は、根の周りに撒いた窒素や肥料を手で取り除きます。
肥料が土に流れる量を減らせますので、ぜひ試してみてください。
肥料を触る時は、トマトの根を傷つけないように十分注意しましょう。
対処法4.水やりをやめる
トマトは加湿の状態を嫌います。
トマトの苗が土に根付いたら、基本的にみずやりは不要です。
ただし、水分の貯蔵に際限があるプランターで育てていたり、雨量が極端に少なく畑の土が乾燥している時は、適度に水やりを行います。
加湿によってカビが生えたり、害虫の増殖により病気にかかることが考えられるので、土の湿度に注意しましょう。
対処法5.諦めて青いトマトを収穫する
トマトが赤くなる条件が揃わない時は、諦めて収穫を検討しょう。
たとえば、病気で苗が枯れてしまったり、収穫時期が過ぎてしまい栽培環境が適していない時などです。
青いトマトのレシピの活用法を次の章でまとめましたので、ぜひあわせて確認してください。
赤くならないトマトはマリネがおすすめ!青いトマトの活用レシピ
赤くならないトマトは、マリネにすると美味しいのでおすすめです。
【青いトマト│マリネのレシピ】
- トマトのヘタを取り綺麗に洗う
- スライサーで薄く切る
- 調味料【酢(大2)、砂糖(大2)、塩(小1)】を混ぜる
- ポリ袋に調味料(3)とトマト(2)を混ぜ合わせる
- 冷蔵庫で数日寝かせて水分がしっかり出たら完成
マリネに色を付けたい時は、カレー粉を少々入れるとほんのり黄色に変化します。
ポイントは、スライサーで薄く切ることで、青いトマトの苦みや口に残る食感を最小限に抑えることです。
【注意】青いトマトには毒性の「トマチン」が含まれている
青いトマトには、じゃがいもの芽に含まれるソラニンと似た毒性の成分「トマチン」が含まれています。
トマチンの含有量は、組織や時期、部位などによって異なります。
果実の中では、未熟果実の含量が多く見られる一方で、果実が熟しているほどトマチンは少ないです。
【トマチン含量の報告例】
トマト│植物の部位 | トマチンの含量 |
---|---|
花 | 1,100mg/kg |
葉 | 975mg/kg |
茎 | 896mg/kg |
未熟果実 | 465mg/kg |
熟した青い果実 | 48mg/kg |
完熟果実 | 0.4mg/kg |
(引用:日本植物生理学会)
未熟果実が465mg/kgであるのに対して、熟した青い果実は48mg/kgと大きく減少することが分かります。
また、大量に摂取しなければ致死量には達しないとの記載もあるため、通常であれば問題ないと言えるでしょう。
中ぐらいの大きさのトマトは約100 gですから、未熟果実でも34個を一挙に食べないと半致死量には達しません。
(引用:日本植物生理学会)
トマチンは加熱しても毒素が消えないため、食べ過ぎに注意をして、熟成させた青いトマトをなるべく選ぶようにしてください。
【失敗談】冷蔵庫で青いトマトを追熟するのはおすすめしない

青いトマトを冷蔵庫で追熟させたら、赤くなるのだろうか…?
こんな疑問が浮かび、収穫したての青いトマトを冷蔵庫で追熟させてみました。
ヘタ付きのまま保存袋に入れて、観察をします。
【収穫してすぐの青いトマト】
1週間、2週間、3週間と経過しても、色は全くかわりません。
それどころか、1ヶ月経過した頃トマトの実はぶよぶよに腐ってしまいました。
【冷蔵庫で腐っていたトマト】
ヘタの周りに白いカビが生えてしまい、衛生状態が悪く捨ててしまいました。
したがって、赤くならないトマト=青いトマトは、冷蔵庫での追熟はおすすめできません。
追熟を促すならば「ヘタを下にして暖かい場所で放置」するのが良いでしょう。
まとめ
この記事では、トマトが赤くならない理由と対処法をご紹介しています。
【トマトが赤くならない原因8つ】
- 時期が早い
- 日光不足
- 摘果・摘心していない
- 栄養不足
- 窒素・肥料が多すぎる
- 水が多すぎる
- わき目かきが不十分
- 病気にかかっている
トマトが赤くならない原因には、育てる環境と苗の健康状態が大きく関わっています。
この記事で赤くならない原因を突き止め、トマトを赤くする改善策が見つかることを願っています。